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「無茶だよ。高速道路を走ってるのに、トンネル通るなとか、下りろとか。後ろにはも奴らがいるんだ」
「そんなことを言って、死んでもいいんですか?」
男は数秒考えている様子だった。それはこのような状況に置かれたら分かる。まさか、現実とは思えないもの。
「分かった。一か八か、奴らをまいて、高速道路を出てみるよ」
深い逡巡のあとの声で男はそう言って、電話が切れた。
思わず、あっと待ってと言いかけ、くらっとめまいがして倒れかけた。
わずかの間、いったい何が起こったのか。
私は放心して、電話機を見つめた。
どうしよう?どうなっただろう?うまく逃げられただろうか?
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