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泣きじゃくりながらがむしゃらに天ぷらを貪り続ける私の頭に、伯母の手がぽんと置かれた。
「誰かのために涙を流せるのは、とても素敵なことよ。たとえそこにあるのが怒りでもかなしみでも、それは相手のことを、それだけ愛してたってことだから」
彼がいなくなっても、私の人生は続く。
今は考えたくもないけれど、この先、彼以外の誰かと恋したり、結婚したりするのかもしれない。
それでも私は、この日食べた苦くてしょっぱいタンポポの味を、一生忘れないだろう。
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