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廊下。
田中さんと小林さんが前を並んで歩いている。
その後ろに先生と山田くんが並んで歩いている。
山田くんは、田中さんが持っている紺色の布袋に包まれた長いモノが、気になる。
しかし、それよりもっと気になるのは、落ち着きのない様子の先生だった。
「先生、、大丈夫?」
「う?お、お、おうっ」
「先生、もしかして幽霊とか駄目なの?」
「がっ・・・あ・・うん」
「へー」
「・・お前、訊いた割に興味ゼロかよ」
「まあ、見れば分かるし。意外って思ったけど」
「けど何だよ!!」
「先生、落ち着いて。らしくないよ」
「ちょっと後ろ!うるさい!」小林さんが叱った。
「すみません」
「すみません」
しょぼんとする二人であった。
「あっちゃんまで、来ること無かったのに」
田中さんが言った。
小林さんは、申し訳なさそうに顔を歪める。
「だって、まゆちゃんに丸投げになっちゃったからさ・・ごめんね」
「そんなことないよ。私、頼ってもらって嬉しいの」
「そう・・?大丈夫?」
「うん。私は、霊感があるんだから、ちゃんとそれを活かして、世の中の役に立たないといけないと思うの」
「・・そっか・・・」
小林さんは、何か言いたそうだったが、言葉が続かなかった。
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