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「桐生先生」
学級委員長の田中さんが、先生を呼び止めた。田中さんは、山田くんとは正反対の、しっかり者の女の子だった。
「田中、どうした?」
「先生に、ご相談があります」
「なんだ?」
「じつは、吹奏楽部から相談を受けています」
「吹奏楽部?なんで?」
「練習中に、変な音や、声が聞こえると」
「・・・・・」
「先生、どうかしましたか?顔色が悪いですよ」
「あ、いや、それで?」
「このままでは、練習にならないと。吹奏楽部の小林さんが私に相談を」
「なんで、小林がお前に?」
「小林さんとは、小学校も同じで、私に霊感があるのを知っているからです」
「えっ?!!」
「先生、顔色悪いです」
「あ、や、、大丈夫だ。霊感有るのか?」
「あります。先生の」
「お―――――!」
「どうしました?」
「あ、いや」
「どこまで話しましたでしょうか」
「小林から相談を受けたと」
「私は、子供の頃から霊感がありまして。とある寺の住職の方にも指導を仰ぎまして、中学に上がってからは、除霊の仕事も請け負っています」
「プロなのか」
「はい」
「じゃ、じゃあ、田中が除霊してくれるのか」
「そのつもりですが、そのために、夜間、学校に来ることを許可して頂きたいのです」
「成程。わかった。教頭と校長に話してくる」
「よろしくお願いします」
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