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僕は中学校に入学すると、テストで一位を取り続けた。頭が良くて、真面目な学生化けていた。
でも本当は全てのテストでカンニングをしていただけのことだった。優秀だと思われている僕は女子から、ちやほやされて嬉しかった。
隣の席の学年最下位の板垣は、勉強を毎日頑張っているようだが、成果が全く出ていなかった。僕と違って真面目に勉強しているようだ。
僕は一学期最後の期末テストでも一位を取って、まわりにちやほやされようと企んでいた。放課後、誰もいない教室で板垣が僕に耳打ちした。
「安藤、カンニングしているだろ」
僕は心臓が口から飛び出しそうなほど慌てた。
「い、いや、何のことかな。実力だよ」
安藤が鞄からスマホを取り出した。そこには僕がカンニングしている証拠が映っていて、血の気が引いた。
「これを先生に見せるのか? お願いだからやめてくれ!」
「先生には見せないさ。ただし条件がある」
「条件?」
板垣が悪魔のような微笑みを浮かべた。
「期末テストで俺が一位になれるようにカンニングさせろ」
僕は板垣を見誤っていた。板垣は真面目な人間に化けていた。期末テストで板垣は一位になった。
しかし最下位の生徒がいきなり一位になったことは不正があったことを示しているようなもので、カンニングはすぐに露見した。板垣も僕も停学処分になった。
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