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「えっと、猫好きの人間を一匹残らず駆逐すればよろしいですか?」
「そんなこと言ってないしなんでそんなにすぐ過激思想に走っちゃうの人間」
「もしくは世界中の人が犬を神様として崇めるように、カルト教団作って全人類を催眠術で洗脳するとか」
「違う違う違う違う、さすがにそういうの求めてない、求めてないから!!」
おお、素晴らしい突っ込み。私は思わず拍手していた。王様はなんかこう、肩で息をして疲れきっているが。疲れ切ってる姿も可愛いが。
「ええっと、すごくマイルドな提案をするのであれば」
こほん、と私は咳払いを一つして言った。
「猫のイメージダウンを狙うとか、そういうのは絶対やってはいけないことなのです。何故なら猫のイメージを下げれば犬のイメージが上がるなんてことはないのですから。オタク界隈においても、特定のヒロインをヘイトすることでもう一人の株が上がることはなく、むしろヘイトしたファンが推しているキャラの人気が下がることがしばしばなので」
言い忘れていたが、私は漫画のオタクも兼業している。
どれくらいのオタクっぷりかというと、大体夏の祭典で友達と一緒に同人誌を販売したくらいだと言っておく。
「何より、今や犬のライバルって猫だけじゃないんすよ、王様。ウサギ派、カワウソ派、ハムスター派、フェレット派など多岐に及びます。まさにこの世はもふもふの群雄割拠、世はまさに戦国時代といったところなのです!」
「よ、よくわからんが、いろんな種類のペットを飼っている人が多いということはわかった」
「そして、犬は可愛いですけど、散歩に行かなければいけないということや、猫より体が大きい場合が多いなどの理由で飼えない人もどうしても多い。そして、実際可愛いというだけで犬猫を飼うような飼い主はアカンのです。飼う人が増えても、捨てる人も一緒に増えるようでは論外なのです!」
というか、犬猫を捨てるような奴こそ一匹残らず駆逐するべしと思っている私である。なんなら、来世で犬に食われるドッグフードに生まれ変わってしまう呪いをかけてやりたいほどだ。
「というわけで。飼う人が減っていることをそこまで気にしても意味はないのではないかと。ようは、犬を愛する人が増えればいいわけですからね。そう、犬を飼わなくても愛することはできるのです!」
私はスマホを取り出し(何故か持ってた)、素早くキーワード検索を行った。表示されたのは、日本各地に存在する、犬をモフれる動物園の数々だ。
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