しせん、しせん。

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しせん、しせん。

 まずは貴方様に、深く、深くお詫びを。  これを読んでくださっているのが(たかし)さんなのか他の皆さまなのかはわかりませんが、いずれにせよ私に近しい人であるのは間違いないことでしょう。  本当に申し訳ございません。  私の選択が、皆様を悲しませることは重々承知しております。本来、このような手段など間違っても取るべきではなかった。もっとよく考えて道を選んでほしかったと、皆様はきっとそう思っていらっしゃることでしょう。  私も同じです。  ほんの少し前までは、己がこのような末路を辿ることなど考えもしておりませんでした。これだけは絶対してはならないことだと、幼い頃から両親にも口がすっぱくなるほど言われてきたことです。絶対、絶対あってはならないことでした。このような浅ましい手紙を、皆様にお見せするようなことも含めて。ああ、醜態を晒していることは重々承知しているのでございます。  それでも耐えられなかった。  私には無理だと思ってしまった。  そのすべてを今、ここに記そうと思います。きっと皆さまは、私の頭がおかしくなったとお思いでしょう。何か勘違いしたのかと、病気で幻でも見たのかとそう思われるに違いありません。  そうだったら、どれほど良かったことでしょう。  私も何度、これはきっと何かに悪い夢に違いないと思ったことでしょう。  しかし、全ては現実に起きたことなのです。信じたくはなですが、全て本当のことなのです。  私はそれが、死ぬことより何より、恐ろしくてならなかったのでございます。
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