3人が本棚に入れています
本棚に追加
「フ、フン…
弱虫で泣き虫なハイドラのくせに…調子乗るなよな…」
ハイドラがいつまでも動かないことに味をしめたのか、ポセイラはまだ言葉を続けようとする。
そして、あろう事か自分からハイドラに近付き、一発お見舞いしてやろうなどと考えた。
「お、おい…何か言えば」
__ドスッ
………………
お腹が、熱い。
ソロリと目線を下に向けると、腹部に深く剣が突き刺さっていた。
「、……こぷッ」
ずるりと剣が引き抜かれ、口からも腹の穴からも血が溢れ出る。
痛みで立っていられず、その場にへたりこんだ。
脂汗が噴き出す。
流れる血も止まらない。
どうしよう、怖い。
不意に、頭を鷲掴まれた。
「そォかそォか、ポセイラァ……
お前は俺様のせいで闇が怖くなっちまったんだなァ、可哀想に……」
ハイドラの手で目元が隠され前が見えないが、恐ろしい響きの声に再び体は震え、鷲掴みにされた部分からゾワゾワと嫌な気配がする。
「ぁ、ぁあっ、やめ…やめてくれ……!!」
「治療法思いついたんだけどよォ、怖さなんて感じなくなるまで、闇に飲まれりゃ治るんじゃねェか」
全身が粟立つ。
頭の中がが黒く染まっていく。
気が狂う。
不安と悲しみと苦しさと痛みと、全てに押し潰される。
「治ったら、また遊ぼうぜ」
__スパッ……
エニグマが剣を振るい、白目を剥いて恐怖と絶望に染まったポセイラの首が転がった。
最初のコメントを投稿しよう!