雄猫二匹 ―金木犀と神隠し Halloween ver.―

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 軽そうに見えて、俺が知ってる範囲では他の社員やバイトにはそのことは漏らしてないらしく、それは有難いと思っていたのだが。  俺が複雑な表情を浮かべていると 「匠海さん、こういうの興味ない方すか?」 「……いや、そういうことじゃなく……」 「ですよね。男だったら、やっぱこういうの夢ですよね!」 めちゃくちゃいい笑顔で言われたけど、問題はそこじゃないとは言えず。 「サイズはフリーサイズみたいですけど、紐だしよっぽど体格いい人じゃなければ大丈夫だと思うんで」  そうじゃない。  俺たちの場合、どう考えても着させられるのは体格いい俺なんだ。 「あのさ、他の奴は……」 「それが、バイトは結構皆別れちゃったり、浮気バレてそれどころじゃなかったり、割と厳しい人が今多くて。あとは大人の社員さんとかなんで、声かけられるの匠海さんくらいしか居ないんすよ」  その時、二人だけだった休憩室に他の社員が入ってきて 「じゃ、もしダメだったら処分しちゃっていいんで」 小声と共に押しつけられて、後でこっそり中身を見て目眩起こしそうになった。 「……ってことで、別に俺が着てみたいとか耳着けてみたいってことじゃないけど、万が一、奏人さんが興味あったらと思って持って来てみた」  奏人さんは首を傾げる。 「僕は別に興味ないけど……」
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