雄猫二匹 ―金木犀と神隠し Halloween ver.―

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「……分かった。じゃあ、オモチャじゃないけど……気が済んだ?もう」 「出来ればもう少し堪能したいけど、恥ずかしいかい?」 「恥ずかしいに決まってるだろ……」  上の方は女ものだから幅が合わなくて肝心のとこは微妙に隠れてないし。  下はこの人の悪戯のせいで形変わって、窮屈な布と紐で締め付けられて苦しいし。 「背中ならまだいいけど、これ前から見られたら俺ホント無理」 「そう……じゃあ、仕方ないね」  ちょっと寂しそうな声出されると、これで止めるのはやっぱ悪いかな……と思いかけた時。  肩に手を置かれたと思うと、首筋にキスされた。 「……ちょっ……?」 「こうしたら、恥ずかしさが和らぐだろう?」  首筋からうなじへ、そっと唇を押しつけてずらしていく。 「ちょっと、待っ……」 「嫌?」 「嫌じゃない、けど……」  うなじに結んだ紐の上からキスして、時々舌這わせながら背中にも落としていく。  ざわざわして、腹の底が熱くなってくる。 「んっ……」  背骨の上に口づけて、背中の紐まで来ると、しゅる、とそれが解かれた。  ぱらりと前に紐が落ちて、首から垂れ下がった状態になると何かえらく頼りない。 「……なんか今、ぞくっとした」 「そう?」 「……変な話、女の人がブラ外されるのってこういう感覚なのかなって……って何言わせんだよ!」 「別に僕は言わせてないよ」  笑ってるし。
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