第六章「新たなる脅威」

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 ゴーストの気配が近づき、緊迫感が漂い、空気が重たく感じる中、私は後方から三人に付いていく。    桂坂公園が近づくにつれ霊気が高まっていく。  鳥肌が立ち、これ以上近づいては危険だと本能が訴えかけてくる。  私よりも早く駆け出す三人に遅れて私は付いていくことしか出来なかった。 「すみません、先生は公園の外から警戒してもらえますか?」    公園のそばまでやってくると茜は振り返って私に言った。 「茜、どういうつもり?」  雨音が即座に反応にして茜に聞いた。  一人一人が戦闘態勢に入り気が立っているのが分かる。  冷静さを欠きつつある三人を見つめ、私はさらに心配になった。 「先生に戦闘はさせられない、それなら外から警戒してもらうのが賢明だよ」 「そうかもしれないけど……」  茜の真剣な眼差しに気負う形で雨音は迷っている様子だった。  ピリピリと嫌な感覚を感じる中、私は何とか三人のためにできる策を考えた。 「それなら、車をここまで持ってくるわ。  危険があると判断したら公園の外までいらっしゃい。  それで、今日の任務はおしまいにしましょう。   あなた達に何かあれば。いえ、怪我でもされたら一番困るから」  いざという時、病院に搬送する必要まで生じれば私が病院まで直接連れていける。  そうでなくても、車で送迎するだけでも三人の助けになる、私はこの状況下でそう判断した。 「分かりました、お願いします。二人とも、それでいい?」  会話を聞いていた麻里江が二人にも確認する。  二人の中立に位置する意見を持つ麻里江の判断には冷静さがあり、二人は麻里江の言葉を聞くと、大きく頷いた。 「それじゃあ、私は行くわね。  こっちは茜のカメラで状況を確認しておくから、何かあったら知らせるわ」  私はそういって、三人から離れ、車を取りに走った。  茜の首輪に取り付けている小型カメラがあれば私は状況を確認できる。  録画機能もあり、戦闘後の分析にも役立つと思われるが、そういうことではない。  ファイアウォール展開中の空間はもちろん、ゴースト自体が録画した映像には残らない。  しかし、録画中のカメラ映像では魔法使いである私であれば状況は確認できるので、こうした距離が離れる作戦には役立つとあらかじめ茜には取り付けてもらうようにしていたのだ。 「三人が無茶をしなければいいけど……」  スクールバスの事件が発生したその日の遭遇。  これが単なる偶然ならいいのだが……。  私は胸騒ぎがするほどに心配する気持ちを抱えながら、自宅のガレージにある自家用車へと急いだ。
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