少し前の僕の話

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朝起きて、ご飯を食べて、勉強して、寝る。 決められたことを淡々とやり続ける、そんな生活に意味があるのか。 なんだか操り人形みたい。 そんな時に、塾の帰り道、夜の8時半くらいかな。 真っ暗な空に明るい、信号や車、お店の光 という光景を目にして。 普通の人なら、わぁ綺麗……なんて目をキラキラさせて言うんだろう。 でも、その時の僕はそんなこと思えなかった。 なぜか分からないけれど、泣きそうになった。 感動でもない、じゃあなぜ泣きそうになったのだろう。 今でもよくわからない。 ただ、うまく説明できないが、今の自分みたいだな と思った。 何も手を加えなければ真っ暗なはずの夜。でも、そこに街灯ができ、車などが走れば明るくなる。 言い方を変えれば、無理矢理明るくしている。 それは、その時の自分と同じだった。 本当は生きる希望も見つけられないくらい沈みきって心は暗かった。 でも、そんな姿は見せられまいと無理にでも笑って人と接した。 楽しいと心の底から思えなくても、その心に気づかれないようにと相手に合わせて笑った。 つまり、無理矢理明るくしていた。 そう気がついた時、思わずその光景から目を逸らしてしまった。 息が詰まるようなそんな気持ちになった。 自分でも自分に気が付きたくなかったのかもしれない。 冷たい風が淋しく、僕の頬を撫でる。 今でもあの光景は覚えている。 心が疲れてしまった時はいつもあの光景がまぶたの裏に浮かぶ。 そして君に言うんだ。 やぁ、また会ったね って。
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