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次に目が覚めた時には、もう朝日がカーテンの隙間から差し込んできていた。
ベッドから上半身だけ起こす。イチくんはいなかった。
昨日、そこで焼き鯖寿司を恨めしいほどおいしそうに食べていたのに、テーブルは綺麗に片付けられていて、イチくんの痕跡がなくて本当に来たのか、夢だったのではないかと思うほどだ。
あれだけ鈍く重かった頭がわりとすっきりしている。関節痛もない。
これは、熱が下がったのか。体調がよくなったと自覚した途端、胃が空っぽだと訴えかけてくる。
昨日、食べられそうなものは食べてしまった。
今の調子だとコンビニに買いに行ってもいいかもしれない。でも、すっぴんで昨日風呂に入っていない状態で外出するのは憚られる。
かといって仕度する気力はまだない。のんびりとベッドで横たわっていたいのが本音。
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