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「まあ確かに。見習うところはあるかな」
そうは言うけれど、大久保先生も人気がある。穏やかで優しいし、顔もいい。吉野先生同様、女子人気が高い。もう33歳だけど、年齢は感じさせない若々しさと清潔感だ。
「うん、大久保先生はそのままで大丈夫です」
太鼓判を押せば、大久保先生はにこりと微笑んだ。
「ありがとう、林田先生がそう言ってくれるならいいかな。ともあれ、今年もお疲れ様」
持ち上げるグラスをかち合わせ、互いに半分ほど残っているビールを飲みほした。瓶ビールから大久保先生のグラスにおかわりを注ぐ。
「林田先生は久々のクラス担任だったけど、どうだった?」
「はい、楽しかったです!」
3年ぶりのクラス担任だった、1年生はかわいくて一生懸命で、パワーがもらえる。
「でもかなり仕事持ち帰ってやってたでしょ。それじゃ残業代出ないんだから、学校でやりなよ」
「そうは言っても残業するなってうるさいじゃないですか、でもやらないと終わらないし」
教科のテストを作ったり、クラス通信を作ったり、部活やPTAの手伝いなど、やることは山ほどある。真面目にやるほど時間は足りない。
「どうしても終わらないなら、俺に振ってくれても──」
その時スマートフォンが着信音を響かせた。
「ああ、ごめん」
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