廃遊園地へ

3/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「マズいっ」  弾かれるように、傍らの3人が逃走の構えをとる。私は立ちすくんだが、春香に袖を掴まれ、促されるように駆け出した。  廃遊園地の中を私は、必死になって走った。暗闇で方向感覚が麻痺し、何処をどう走っているのか分からなくなる。  いつのまにか、自分の足音と呼吸音以外の物音が止んでいた。私は足を止め、辺りを見回す。そして、自分が仲間たちからはぐれて、一人きりになっていることに気づいた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!