秋の音色

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 まぁ、また会える保証なんてどこにもないのだけど、昨日と同じように会えることを願って、リエ先輩とカヨと私とで、鼻歌で曲を奏でながら帰った。  すると、昨日と同じようにどこからか鼻歌のようなバイオリンの音色が奏でられて、 「あれ?今日は一人増えたね! じゃあ、僕も友達を連れてくるよ!」 と聞こえた。 昨日の緑色燕尾服の妖精さんだ! 昨日と同じように稲穂の先辺りに立っている。  彼が「おーい!」と呼びかけると、今度は黄色や赤色の燕尾服を着た妖精さんが、同じようにバイオリンを持って稲穂の先に立った。 そして、昨日と同じように歌ったんだ。  それからね、妖精さんがくれた勇気と音楽への向き合い方に関して、ほとんどの部員が興味を示したので、部活帰りに全員で妖精さんに会って、何度も妖精さん達と音楽を楽しんだんだ。
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