吠ゆる犬は我が打つ

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目が覚めるとそこは自分の部屋だった。  体中がベトベトになっていることに気付き、そこではじめて自分の敗北を理解した。  私は泣いた。それはもうめちゃくちゃ泣いた。我を忘れるほど泣いた。駄々っ子のように暴れまわり、5段は積み上がっていたであろう缶の山を一通り崩した。そして私は叫んだ。 「この屈辱は一生忘れん!必ず借りを返すからなぁ!震えて待っておけ、タロウ!!」    なにか温かい感情が心のなかで湧き出てきた。初心を思い出したようで、私の心は晴れやかになった。すぐに作戦を考え直し、明日にも仕返しをしてやろうと躍起になった。    しかし初心を取り戻した代償は大きかった。朝起きてみると鼻水とくしゃみが止まらなくなっていた。あのときの自暴自棄になった自分をぶん殴ってやりたい。私は犬小屋に立て籠もる犬のように3日ほど薄汚い部屋に閉じ込められる羽目になった。    ここからの私の苦難の道のりを書くのはまた今度にしよう。私のこの手記が日の目を浴びることに期待をしつつ……
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