【かぐや姫】

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するとどうした事か。 私の身体中の骨はバキバキと音をたて、それに合わせるように肉体も変化していった。 彼女と同じくらいだった私の身長はグングンと伸びて、私の肩が彼女の顔を覆いかぶさる。 それと共に私自身がパッと光り一瞬で私は和装姿になった。 まぁ、と彼女は瞳を輝かせて僕を見つめた。 素敵でございます、と彼女が言った。 と、その時だ。 何だ何だ?とカップル達が彼女と僕を取り巻きはじめた。 どうやら、この瞬間、他の人にも僕達の姿が見えるようになったらしい。 兎の使者は慌てて草むらに逃げ込み姿を消した。 十二単衣の彼女に和装姿の僕。 これは目立つだろう。 僕は彼女の手を取り急いで公園から出て行った。
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