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12回目の満月の夜。
いつものように図書館の公園で僕は輝夜を待っていた。
というか何時もなら僕より先に輝夜が待っていてくれる木陰に輝夜の姿がないことに、僕は一抹の不安を覚えた。
何分か待っているとヨロヨロと僕に向かって歩いてくる女性に僕は気付いた。
輝夜かい?僕がそう訊くと、その女性はコクリと頷いた。
僕が駆け寄り輝夜を抱きしめると輝夜は、私の顔を見ないで、と懇願してきた。
その言葉を無視して両手で顔を隠している輝夜の手を僕は払い除けた。
するとそこには、、シワシワのお婆さんの顔が満月の光を受けて浮かんでいた。
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