【かぐや姫】

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ある夜の事。 私は洗濯物を洗い乾燥機に放り込んだら、うちのマンションのリビングにあるベランダに輝夜が佇んでいたので、私は何となく輝夜の傍へと近づいた。 因みにその頃には、私の収入も増えて分譲マンションを購入したのだが。 その晩は三日月がボンヤリと浮かび少し物寂し気な夜だった。 ね?ママ。昔は満月という丸いお月様が見られたんだよね? と輝夜は感慨深気に、そう言った。 そうね。昔は月に一回は満月が見れたわね?と私は応えた。 未だ各国の科学者が調べても満月が見られなくなった原因が分からないとニュースで報道していたのを、私は思い出した。 輝夜は悲しそうに三日月を眺めていた。 どうしたの?輝夜? すると輝夜は私に抱きつき、好きよ、ママ、、と言った。
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