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現状、いつ出来てもおかしくない状況なのに、どうして驚いているのよ。
一応新婚なのにまだ早かったかしら?
私は母が若くして亡くなったので、弟妹なんて自分には縁のないものだと思っていた。
でも歳は離れているけれど、悠太が出来たときは嬉しかったのを覚えている。
出来ればひなにもきょうだいを……って思うけど。
「だ、だから……今すぐじゃなくてもいいの。でもいずれひなにも弟妹がいた方がいいでしょう? 私も憧れていたのよ? 自分が一人っ子だったから――」
「そりゃ……今すぐ」
「え」
「そんな話を振ってくるってことは、今日、OKってことだよな?」
「ええ」
「せっかくひなが気を利かせてくれたんだ」
「えええ」
鷹也がニヤッと笑って私を抱き上げた。
「奥様? 俺たちのベッドに行こう?」
「鷹也!」
「二人目はもちろん欲しいよ。今すぐにでもいいし、もう少し後でもいい。それは杏子の仕事次第でいいんだ。でも俺はもっともっと愛し合いたい。やっと一緒になれたんだ。二人の時間も大切にしよう?」
「鷹也……うん。愛してる!」
「俺も。愛してる!」
こうして私たちは新しいダブルベッドで初めて愛を交わした。
[完]
あとがきへ続く→
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