祖母の死

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 用意しておいた塩でひなと私のお清めを済ませ、家に入る。  今日からひなと二人なんだ。  祖母は突然逝ってしまった。一昨日までとても元気だったのに……。  一昨日は近所のお寺の花まつりに行ったと言って楽しそうに話してくれたところだった。  お土産があるとか言って。  死因は脳卒中だったそうだ。  朝になっても起きてこない祖母の様子を見に行くと、もう息をしていなかった。  まだ温もりがあったから、息を引き取ったところだったのかしれなかったが、祖母の最期に気づけなかったことを今も悔やんでいる。  いっぱい有り難うって伝えたかったのに。  医師の話では、きっと苦しむことなく、寝ている間に息を引き取ったはずだと……。  祖母が苦しまなかったのなら、それだけが救いだと思う。  マンションには祖母の名残が溢れていた。まだ全く遺品の整理はできておらず、手つかずの状態だった。  フッと寂しさがこみ上げる。あんなに元気だった人が……。 「ママ~ねむい」 「わ、ダメダメ! ひなお風呂に入ろう?」  時計を見ると、もうすぐ七時だ。  ひなの就寝時刻はいつも夜の八時。  でも今日はバタバタしていたからかなり疲れているのだろう。
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