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「これって……おばあちゃんが言ってた花まつりのお土産?」
そういえば「杏子には杏子の好きな飴買っておいたから」って言ってたような……。
すっかり忘れていたわ。ひなのシャボン玉セットだけだと思ってた。
そうそう、花まつりで幼馴染みに会ったって話もしていたっけ。
あれが最後の会話だったのに、もっとちゃんと聞いてあげれば良かった。
少し後悔しながら、私はその瓶の蓋を開けてみた。
ザラメをまぶした色とりどりの大きな飴は、昔から私の大好物だった。
心配性の父は、私が飲み込んでしまって喉を詰まらせないかハラハラしていたようだけど、祖母は気にせず与えてくれて、よく父と揉めていたな……。
懐かしく感じながら、一番上にあった淡いグリーンの飴を口に放り込んでみた。
その瞬間、よみがえる思い出。
それは鷹也と二人で行った縁日の……。
――――――そう思った瞬間、意識が離れた。
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