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「それが、H大の先生方、皆さん家庭が第一らしくて、研究会が終わったらさっさと帰って行ってしまったんだ。課長は飲みに行きたそうにしていたけど、無駄に経費を使うだけだし却下した」
なるほど。たしかにうちの会社でも若者ほど飲み会に行きたがらない。
皆さん家庭を第一に考えているから、新歓と忘年会だけなのよね。全員揃うのは。
役職者の皆さんは旧体質でよく飲みに行かれているけど……。
でも森勢の名を持つ鷹也がいなかったら、課長は飲みに行きたかったんだろうな……。
鷹也じゃないと却下できなかったと思うからいい仕事をしたよ。
「え! ひな、もう寝たのか?」
「ああ……うん。さっき寝たとこ」
「え~! 急いで帰ってきたのに、間に合わなかったのか」
「ハハハ……残念だったね」
鷹也はがっかりしながらお風呂へ入りに行った。
「ひな、なんで部屋に戻ったんだ?」
「あー……」
風呂から出てきた鷹也がタオルで頭を拭きながら聞いてきた。
昨日キョーレツな洗礼を受けたというのに、それでも一緒に寝たかったのかしら。
そこで私はさっき知美さんから聞いた話を話してみた。
家族計画……って話し合ったことがなかったのよね。
子供は何人欲しいとか、いつ欲しいとか、夫婦になったんだから話しておかないとダメよね。
ベッドの中でもないのに、こういう話を私からするのって結構勇気がいるなぁ。
「お、おとうと……」
鷹也が面食らっている。
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