プロローグ

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 「んー……?」  ここどこ?  目を覚ますと、私はダブルベッドの上にいた。そして隣にいるのは……。  「鷹也……」  森勢鷹也(もりせたかや)、私の元カレが眠っていた。  彼も私も一糸まとわぬ姿だ。  その瞬間、昨日のことが走馬灯のように脳裏を駆け巡った。  昨日は高校の同窓会で久しぶりに鷹也と再会した。  途中から二人で飲み出して、終わってからも飲み足りないと、鷹也が宿泊しているホテルで飲もうって話になったのよね。  でもこの部屋に入ってからはお酒を飲むこともなく――。  「やっちゃった……」  部屋に入るなりキスされて、そのまま流されちゃったんだ。  「ハァ……何やってんだろ……」  今更頭を抱えても仕方ないんだけど……。  時間を見ようとスマホを探すが、バッグが見つからない。どこに置いたっけ?    隣からはスースーと規則正しい寝息が聞こえる。  ぐっすりと眠り込んでいて起きそうにない。  三回戦が終わったところまでは覚えている。  けどその後は意識がもうろうとしていて、よく覚えていない。  一時間は寝たのかしら。 「痛ッ!」  起き上がろうとして腰の痛みに気づく。  もうっ! 加減してよ。  別れてから1年。こっちは久しぶりなんですけど……。  
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