高校時代

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 お互い誰かと付き合うのは初めてだった。  無愛想で少し俺様なところがある鷹也と、長年一人っ子で育ってきた私は、よく衝突もした。  ちょっとした言い合いはいつものことで、大抵は私が拗ねて、鷹也は平然としていた。  結局、ムカついていたはずなのになぜか自分が拗ねているのを忘れちゃって、私が鷹也に話しかけてしまうのだ。  いつもそんな感じで私が折れて、鷹也から謝ることはなかった。  それでも良かった。私が好きだから。  それに、仲直りしたら頭をぽんぽんってしてくれるから。  それだけでキュンとしてしまうのは、私の方がいっぱい鷹也のことを好きだったからなんだろう。    高校を卒業して、同じ大学に入って、学部こそ違ったけれど、私たちはいつも傍にいた。  初めてのキスも、初めて体を重ねたのも、全部鷹也と。  青春時代の全てに鷹也がいた。  でも、就職して少しした頃、私たちは別れてしまった。  きっかけは鷹也の幼馴染みだった。  否定して欲しかった。鷹也は私を理解してくれているって、信じたかった。  それに、鷹也の家のことをその人の口から知りたくなかった。  結局7年も付き合っていたのに、私という存在は鷹也にとって親にも紹介できない、将来を考えられない存在だったのだと思い知ることになったのだ。  あの一夜の過ちの日から一度も会っていないのに、今更なぜこんな……。        
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