祖母の死

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「本当に呼んでよ? 悠太(ゆうた)に使いっ走りさせてもいいし」 「何だよー。俺パシリかよー」 「ハハハ……うん、悠太も頼りにしてるから!」  私の腹違いの弟、悠太は今年小学校6年生になる。  小学生にしては大きい方で、つい先日身長を超されたところだ。 「ひなの子守ならしてやってもいいけど」    そう言って、私の足元から3歳になる娘のひなを抱き上げた。 「ひなちゃんなら私だっていつでも歓迎よ? ねーひなちゃん、じいじのお家にまた来てね?」 「ひな、じーじのとこ、いくー」    ひなも悠太や知美さんにとても懐いている。  シングルマザーの私にとっては、とても頼りになる存在だ。 「また遊びに行かせてもらおうね、ひな。知美さん、遅くなるときはお迎えをお願いするかも――」 「もちろんよ! いつでも電話して。こっちで預かっておくから」 「杏子、うちでも預かるわよ。知美ちゃんも兄さんの会社のことで忙しい時があるだろうし、いつでも連絡ちょうだい」 「叔母さん……」 「うちも、大輝っていう足があるからね。遠慮しないで」 「俺の車、悠太のお古のジュニアシートつけてるから。ひなの迎えもいけるぞ」 「杏子ちゃん、おじさんにも電話くれていいからね」 「大輝……おじさん……。うん、ありがとうね」  
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