祖母の死

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 父の妹夫妻と従弟の奥田大輝(おくだだいき)もいつも声をかけてくれる。  たぶん、こんなに恵まれたシングルマザーはいないと思う。  有り難いことだ。  名残惜しそうにしている悠太からひなを引き取り、大輝に送ってもらって、私は祖母と住んでいた2LDKのマンションへ帰ることにした。    父が知美さんと結婚した時、私は祖母と二人で暮らすことを決めた。  若くて初婚の知美さんに迷惑をかけたくなかったのだ。  大きなこぶ付きの父と結婚してくれただけでも有り難いのに、変な気苦労をしてほしくなかったから。  それは祖母も同じ意見だったので、私と祖母は気軽な二人暮らしを選んだ。  それから約10年。祖母との二人暮らしに変化があった。ひなが生まれたのだ。    ひなが私のお腹に宿ったのは、あの同窓会の日。  そう。ひなの父親は元カレの森勢鷹也だった。  たった一夜のあの交わりで、まさか赤ちゃんができるなんて想定外だった。  妊娠に気づいたときにはすでに鷹也はロサンゼルスに旅立った後。  あのホテルの部屋を出た後、一度も連絡を取らなかったし、妊娠がわかった後も知らせようとは思わなかった。  あれは一夜の過ちだったし、鷹也にはもう大切な人がいるのだから。  だからといって、赤ちゃんを堕ろすなんて一ミリも考えることはなかった。  赤ちゃん! 私の家族!  可愛かった悠太の生まれたときのことを思い出し、私にも赤ちゃんができたことが嬉しくてたまらなかった。
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