もしもフォン

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「先生……なにも無くなってしまいましたね」 「そうだな。まぁ、でもいいんだよ、また新しいものを作れば……」 「そうですね。またイチから頑張りましょう」 「まぁ、金はいくらでもあるし、いつでも研究は出来るってなもんよ。アハハ」 「ところで先生?」 「なんだ?」 「さっきから、気になっているんですが、なんかカッコだけの会話文で、描写が全然描かれていないのですが」 「あぁ、それな。いいんだよ」 「何がです?」 「だってさぁ、今部屋の中には何も無いんだよ。今更何を書くって言うんだい? 読者のみんなは、私と君とが立ち話をしている位、書かなくても分かるって」 「そうかもしれませんが、これじゃぁ、素人が書く小説みたいですよ。なんか『小説始めました』見たいな……」 「そうね。でも、いいんだよ。前のページで二万文字に到達したから」 「二万文字……? なんですかそれ? 二万文字って何か意味があるんですか?」 「阿部君、君は知らないのかね? もしも世界が〇〇だったら~ってのは二万文字までしか読まれないのだよ」 「はぁ……そうなんですか?」 「そうだよ。ほら、募集要項を下にコピペするから、ちゃんと読んでみなさい」 応募要項 ・文字数は20,000文字以上 ・20,000文字まで読んで選考、作品へのアドバイスをいたします。 「本当だ。二万文字までしか読まないって書いてますね」 「つまりだ、ここに何を書こうが、この様に素人「」で書こうが、関係ないって事だ!」 「……先生……相変わらず、せこい考え方をしていますね」 「せこいとか言わないで欲しいな。ずる賢いと言ってくれ」 「分かりました。ずる賢いですね」 「あ~~はっはっはぁ~~。これでポメラは私のものだ!」 「えっ! せっ、先生!? この作品で大賞ねらってたんですか!?」 「当たり前だろう。これでポメラは私のものだ」 「せっ、先生……そう言う事なら、もっと早く僕に相談してください」 「なんでだ?」 「もし、大賞を狙うのであれば『題名』の段階で落とされています」 「本当か!?」 「えぇ。残念ながら……『もしもフォン』はダメです。もう、パクリ度が半端じゃないので……」 「そっ、そうなのか……」 「はい。……残念ながら、なので今回は大賞は諦めてください」 「……そうか、悔しいな……」 「まぁ、次回があるかと言われれば、無いのでしょうが」 「いゃいゃ、私は帰って来るぞ!」   I'll be back !   coming soon ! 「映画の予告か!」  スパーーーン! 「……なぜ、あいつらハリセンは、異空間にストレージしなかったんだ……」 おしまい
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