リアン

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 気付けば、また僕は何もないところを、見つめていた。日常に忘れ去られたみたいな、隙間の奥の瞳と目が合う。  一体何に、僕は見とれてしまっているのか。あそこに何がいるというのか。    分からない。いや上手く表現できない。言葉や文字では、不足している。  できるなら、形ある色づいたものとして....()()()()()()に埋めたい。  或いは、取り憑かれてしまいたい。夜の幽霊のように。  そしたら、僕は全て分かるだろう。  寝ぼけたうす暗い空の下、そんな純粋な思いを馳せる。  (リアン)()()()にはきっと、そんな名前がぴったりだと思うのだ。    ──────────────────────── *ちなみに、フランス語で「虚空、無」を『rien』といいます。  
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