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「……だろうな。俺は、これからもずっと寂しがりやで脆いくせに、強がりな誠のことを放っておけない。
結婚するならお前とがいいんだ。
だから、誠もこれからの俺とのことを考えてみてほしい。考えた結果、結婚は考えられないって言われても、俺はずっとお前の隣にいる。
俺達らしい関係になればいいだけだから、そこは怖がらず、考えてみてほしい」
千明の優しい言葉に、ぽろりと涙が浮かんできてしまった。ちゃんと自分の気持ちも伝えてくれたことは、千明の成長したところ。涙を拭おうとすると、箱ティッシュを差し出された。受けとって涙を拭く。
「いま、とっても嬉しい……。ちゃんと考えるから。答えが出たら私から話をさせて」
「あぁ、待ってるから。とりあえず引っ越しの話だけは進めるからな」
引っ越すことは、もう揺るがない決定事項らしい。しかも、千明は賃貸ではなく、購入で考えているらしい。賃貸でお金を払うのは勿体ないという意見だそうだ。それからの休みの日はほぼ物件探しに勤しんでいる。
物件を探す中で、私は私で、ちゃんと二人の将来について考えていた。
思い返せば、最初は大嫌いだった。千明はなんでももってると思ってた。
でも本当は、違う。
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