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「…………あの……助けるって……具体的には?」
「誠、いいお家に住んでるんでしょ?、そこで二人で暮らしましょう。あと、お金出してほしいの」
「……そこからは2週間後に引っ越すの。小さいアパートで暮らそうと思ってて、そこで良ければ………」
お母さんの顔はあからさまに、怪訝な表情に変化する。
「……アパートってどこ?あのへん一帯の大きい素敵なマンションのどれかじゃないの?」
和泉が住んでるマンションは、外装はかなりおしゃれで素敵に見える。内装もかなりお母さんが好きそうなのは確か。
でも、あそこは和泉の家であって私は居候の身。2週間後にこの近くにある1DKのアパートに、引っ越す予定でいる。
「ルームシェアさせてもらってるだけで、私が借りてるわけじゃないから」
「………ルームシェアなんだから、ママが一緒にいたら駄目?ママお金持ってないの……」
なんて図々しいの。大きいスーツケースを持ってるのは、きっと家にはいられなくなったからだろう。家なくて、お金もなくて、捨てた私にすがるしかないって状況なのに、そんなわがまま言ってられないでしょ………。
これは私の家の問題なんだから、和泉に迷惑かけられない。いま振り切ったら、この人は絶対に私の後をつけてきて、マンションを特定される。
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