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広いリビングの片隅にあるソファーで、私は快楽に顔を歪ませる。
着ていた服はソファーの下に脱ぎ散らかされていて、背もたれによりかかりクッションを枕代わりにして寝そべる。
足を開かれ、自分の中に何度も与えられる快感にどうしようもなく身を焦がす。
和泉は、覆いかぶさるようにして、私の中に入ってくる。くすんだ赤みがかった薄茶色の瞳で、私を見下ろしていた。
和泉の整った顔が、だんだんと快感で歪んでいくのを私は見逃さない。和泉は、埋まらない感情を私の身体で発散する。
お互いの荒い息遣いが、部屋に響き渡る。
「……お前の体だけは素直だな」
「………………………うっさい………」
和泉は腕の中で、だんだんと、余裕がなくなる私の姿見て、恍惚な表情を浮かべていた。
和泉の腰の動きが止まり、吐息が漏れると、そのまま私の胸に倒れ込んできた。それを受け止めて、背中に手を回す。目を閉じて、温もりを感じると、淋しいという気持ちが、だんだんと和らいでいく。
これはお互いに、淋しさを埋めるためだけの行為。和泉とは、利害関係の一致でこうしてる。
こんな関係が、もう6年も続いている。
どうして私は、この温もりに、こんなにもすがりついてしまうんだろう___。
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