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「……あぁっ…………誠、好きだ………好きだよ…………」
そう言って、和泉は最後に吐息を漏らしそのまま、私の中で果てていった。
そうして朝まで抱き合った。甘く蕩けるような時間が過ぎて、目が覚めると、裸のまま後ろから抱きしめられていた。温かくて少し重たい感覚がくすぐったい。
今までどんなに抱き合っても、お互いしれっと何事もなかったかのように服を着て、触れ合うこともなく眠りについていた。一緒のベッドで寝るときは、私が寝ぼけて勝手に和泉の部屋で寝るときだけ。
今日は違う。沢山キスをして、沢山好きといって、そのまま果てるように眠りについた。
好きな人に好きって言ってもらえた。
独りぼっちじゃない。
和泉が……、千明がずっと隣に居てくれる。そう思うだけで、心が満たされた。
嬉しくて恥ずかしくて、顔に手を覆い、身悶えていると声をかけられた。
「………おい、誠。こっち向け」
「………や、いま無理。恥ずかしくて無理」
「………無理じゃない、こっち向け」
私が振り向く前に、和泉が上から覆いかぶさってきた。私の顔を確認して安心した顔をしていた。頬に触れられ、キスを落とされる。
「……夢じゃないよな?」
「夢じゃないよ」
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