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「………誠が、俺に人と一緒にいる楽しさとか温かさとか味わわせてくれた。からかったり、守りたくなるような、人と一緒にいることは楽しいって……。それで、隣にいるだけで幸福感を感じられるってまた思えた………ありがとう」
「どうしたの?やけに素直じゃん」
「もう言わねーよ、バカ」
恥ずかしそうに視線を泳がせる和泉の両頬をガシッと掴んで、唇に触れた。
「……ずっとね、孤独感が拭えなかったの。……千明とセフレになってからは、少しだけ忘れられた。
それで、千明はどんなときも隣にいてくれたよね。いじわるばっかりだし、すんごいムカつくことも多いけど、でも優しくて暖かくて……そういうところ知ってるよ。
………寄り添うように隣にいてくれてありがとう……。もう身を滅ぼしそうなくらい、千明のことが好きだから、ちゃんと責任取ってよね」
「……お前の方こそ責任取れよ?俺のこと本気にさせたんだから」
お互いに、減らず口を言い合うようにそう言うと、どちらからともなくキスをした。それは、とても甘くて蕩ける味がした。
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