二人で決める道

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 千明は、私と同じように独りぼっちで、自分の感情を押し殺してしまう人。 人の気持ちを敏感に察して、寄り添える優しい人。 好きなのを隠して、いじわるばっかりしてくる不器用な人。  悲しいとき、辛いとき、一人で淋しくないように私の手を取って、一緒にいてくれる人。 一緒にいると、喧嘩ばかりだけど、それが心地よくて落ち着けた。 いじわるで、優しい私の大好きな人。 そんな千明との将来のイメージは、自分でも驚くほど鮮明に浮かんでくる。 答えは私の中で出ている。だからちゃんと伝えなくちゃ。 そう決めたのは、夏のジメッとした日。  仕事のある朝、目が覚めると、千明が目を閉じて眠っていた。睫毛が長くて、可愛い寝顔を拝めて幸せを貰える。一緒に眠るようになり、こういう甘い時間が嬉しい反面、とてもくすぐったい。  ベットから起き上がり、服を着替えるために自分の部屋にいく。パンツとスキッパーシャツを身に着けると、首元にキスマークがついていることに気づいた。 ………これ、わざとだ。 起きてきたら言わないと。 メイクをするときに、コンシーラーでキスマークを消し、ほぼ支度を済ませた。それからキッチンでコーヒーを入れていると、千明も起きてきた。 「……はよ」 洗面所に行く千明を目で追いつつ、ゆで卵とレタスでオープンサンドを作った。
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