英嗣の決意

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 俺は春から椎名不動産の社外取締役も兼任となる予定だ。そのことも父が義弟に話し、いずれふたつの会社がひとつになる可能性もあることを父から話した。  「よかったね、義兄さん。父さん、俺が母さんと伯父さんに俺の気持ちを出発前に伝えますが、まああのふたりのことです、言うことをきいてくれないかもしれない。でもあの二人は俺にこの会社を継がせるために今まで動いているんでしょ?継ぐことを決めるのは俺。俺がやらないと言えばどうにもならないんですよ」  「お前も大人になったな。あちらの作戦で英嗣の下につけたことが裏目に出たんだろう。お前は義兄の実力を知ったんだな」  「はい。社内での義兄さんの圧倒的な人気もね」  ウインクしてこちらを見た。  社長室を出た義弟は俺に言った。  「篠田課長のことですけど……義兄さんのことまだ好きなんですね。少し噂になってますが大丈夫ですか?」  「……俺は何度もはっきり断っているが、この際、理解できるようはっきりさせようと思う」  「どうやって?」
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