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佐知と博士は顔を見合わせて、佐知が話し出した。
「知ってるよ。篠田課長のことでしょ?なんか、専務もどこかの部署で口にしたらしいよね。信じらんない、香那がいるの知ってるくせに……」
「この間、紗良先輩のところへ赤ちゃんを見に行ったの。その時に篠田課長のこと、昔ふたりに色々あったことを教えてもらった。だから、篠田課長の気持ちも少しはわかる。だけど、英嗣さんもどうしてきちんとしないのか、それがわからないの」
「水川。おそらく、本部長はとっくにけじめつけてるけど、その課長が諦めきれないんだろ?ここまで噂になると彼女も引くに引けないんじゃないか?まあ、大丈夫だよ。あの本部長は香那にぞっこんだ」
「そういう香那だって、元カレが椎名不動産の担当者だったんでしょ?どうなったの?」
香那は最終日、実はやり直したいと言われた。だが、すぐに断ると笑われた。そう言われることもわかっていたけど、言いたかっただけだと謝られた。そして、あのキッチンを実現できるといいなと言われて別れたのだ。
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