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二人の夢
「香那、おかえり」
「ただいま」
博士と佐知と食事して彼の部屋へ戻った。
今日は金曜日。会社の仕事もある程度一区切り付いた時期で、ゆっくり週末を過ごせるのは久しぶりだった。
「お夕飯どうしたの?」
テーブルが綺麗に片付いている。
「ああ。ちょっと、椎名不動産の物件に寄ってきたんで軽く食べてきたんだ」
「そうだったんですね。お疲れ様」
彼はすでに入浴済み。ソファーでお酒を飲んでいた。
「私もお風呂入ってきます」
「ああ、ごゆっくり」
お風呂から上がると、すでに彼はベッドルームへ行っていた。
私もベッドルームへ入り、椅子に腰掛けていたら彼が言った。
「香那。明日、連れて行きたいところがあるんだ。何も予定はなかったよな?」
「うん。英嗣さんも一緒で久しぶりの土日休みだもん。予定は入れてないよ」
「よし。じゃあ、午前中に起きられれば行くか。まあ、お前は無理だな。ねぼすけだから……」
「ひどい。いつも手加減してくれない誰かさんのせいだもん」
「手加減?愛情の深さがわかるというもんだろ。手加減とかしたら、お前疑いそうだしな」
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