二人の夢

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 大きさが違う調理器具。大きさの違うフライ返し。鍋。  私が一番最初にラフ案であげたが、却下された商品もある。  アイランドキッチンには同色のフライパンが電子コンロの上にそれぞれ大中小と並んでいる。  彼はこちらに回ってきて、私にエプロンをかけた。大きなピンクベージュの縁取りのあるフライパンの前に私を立たせると、自分はその向かい側に立って、頬杖をつきながら話し出した。  『今日は三人で何を作ってくれるんだ?』  私は答えた。  『今日は、あなたの誕生日だから三人でお昼ご飯を作ってあげます。一番下の妹がソーセージ担当。お兄ちゃんは卵焼き担当。私がチキンピラフ担当よ。愛情たっぷりオムライスが出来るのを見ていてね。さあ、練習通りに出来るかな?乞うご期待』  彼が言う。  『それは楽しみだ。ケチャップを出して待ってるよ』  私が可愛い声で言う。  『パパ、動かないでそこで見ていて』  彼が言う。  『ああ、見てるよ』  私が高い声で言う。  『パパ、僕も頑張るよ』  彼が言う。  『ああ、頑張れ』  私が言う。  『そうね、ママも頑張るからね』  彼が言う。
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