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エピローグ
プロポーズの翌日。
前日に実家へ連絡を入れた。とうとう彼を両親のところへ連れて行った。
私から、彼と付き合っていることを聞いていた両親は、笑顔で歓迎してくれた。
すぐに彼が座布団を外して彼女と結婚させてほしいと頭を下げると、お父さんがこう答えた。
「香那は料理もうまいし、素直ないい子です。ちょっと騙されやすいところもあるので、心配していました。でも香那からあなたの話を聞く限り、この子はあなたのお陰で社長賞とやらも取れたのでしょう。これからもどうかこの子をよろしくお願いします」
その日の夜は、お父さんと英嗣さんがお酒を飲んだ。しばらくすると、一人っ子の私をとられるのが悔しいと酔っ払ってお父さんが叫び出すのをお母さんがなだめるという、よくある風景が展開した。
引っ越してからほぼ同棲だったというのもお父さんは気付いていて、娘が綺麗になっていくのを複雑なおもいで見ていたとお母さんが笑いながら代弁していた。
台所へ下がったお母さんに私は言った。
「お母さん」
「ん?」
「私が台所で並んで食事作りたいねって言ったの覚えてる?」
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