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「どうせなら、一緒にどうだと連絡もらったの。あなたたちもあっちこっち行くのは大変でしょ。普通なら一カ所で済む話よ」
「まあ、助かったよ」
「あちらにはご挨拶したの?」
「ああ、一昨日うかがってご挨拶した。香那は一人娘だ。お父さんに泣かれたよ」
お父様とお母様は驚いていた。
「そうか。それは責任重大だ。あちらのことも気にかけていけよ、英嗣。彼女はあちらには大切な娘さんだ」
「はい。そのつもりです」
「水川さん。今度は一度うちに来てね。英嗣の小さい頃の写真を見せてあげる」
「行きます!」
「母さん!」
「水川さん。料理上手なんだってね?私は下手くそだから家政婦入れてたの。今度あのフライパンで作ってね」
「はい、もちろんです」
「それと。椎名不動産はこれから経営に英嗣も参加させます。今は社外取締役だけど、うちの業務について学んでいかせるわ。今回を機に社内で息子であることを公表するつもりなの」
「……母さん」
「これからふたりで頑張ってね。私達はあなたたちの最大の味方になりますから」
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