おんなのこがたり

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 宇野はヘラヘラしながら、事も無げに言った。その表情が好奇の表れなのか、たっちゃんに対する侮辱なのか、または全く違う意味を持つのか、あたしには分からない。そういえば、あたしは宇野の、この表情が読みづらい所も嫌いだった。 「宇野は、そういうのどう思う?」  思い切って、そう訊いてみる。  気持ち悪い。やめてほしい。ワケが分からない。そんな言葉がもし宇野の口から出たら、あたしはもう二度とたっちゃんを宇野に近づけない。たっちゃんが何を言おうと、絶対。尋ねる前にそう決めていた。  宇野はあたしの質問に、すぐには答えなかった。左手を口元に当てて、少し目を伏せて、見た目は言葉を放つのをためらっているようだ。彼はしばらく黙っていたけれど、やがて顔をパッと明るくして口を開く。 「……うーん。いいと思うよ、ああいうの」  あたしは、宇野のそのあっけらかんとした様子に、拍子抜けした。嘘はついてないと思う。多分。 何、宇野って結構いいやつだったの? ふと、そんなことを思ってしまう。だけどあたしは、急いでそんな考えを頭から締め出した。 「なんで?」
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