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あたしは多分、生まれつき女の子ってわけじゃない。小さい頃は男の子になりたいと思ってた。男の子とばかり遊んでいたし、女の子は正直、苦手だった。服もジーンズとか男の子っぽいものばかり着ていたし、スカートを着ることはほとんどなかった。髪だってひどく短くて、見た目はほとんど男の子。だけど、そんなあたしでも成長する度に女の子になっていった。髪の毛を伸ばして、眉毛を抜いて、おしゃれな服を着たモデルが載っているような雑誌を好んで買うようになった。女の子とばかり話すようになって、男の子とはあまり話さなくなり、ケンカもしなくなった。そんな変化が積み重なって、あたしは普通のどこにでもいる女の子になった。
そしてあたしはたっちゃんに恋をした。
だけど、女男になりたくないと言ったたっちゃんは、男の子にはならなかった。
たっちゃんはあたしの知らない人に恋をする。
「三組の宇野くんって、かっこよくない?」
たっちゃんが、赤くなった顔を手で隠し言った。あたしは頬杖をついて、そうだねと興味がないように答える。
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