其之十四 不器用

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報告を終えた梟はゆっくりと立ち上がり、すぐに踵を返して立ち去ろうとするが、秀康は咄嗟に止める。 それに対し梟は鋭い目付きで首だけ振り向くと、 「どうだ、たまには食事でもどうだ?」 「……」 秀康は先程までの威厳のある表情から豹変し、まるで温厚な"父親"のように柔らかい表情で親しげに梟を食事に誘った。 しかし梟は、 「ふざけんな……今更"親父面"すんじゃねーよ。じゃあな」 冷たくそう吐き捨てると、すぐに前を向き直してその場から立ち去る。 そんな梟を呼び掛けるように、秀康は声を張って口を開いた。 「"クワイエットフクロウ"……"音無梟"、その名は皮肉のつもりか?」 それに対し梟は、これまで以狼やゆりなには一度も見せた事の無いような鬼気迫る表情を覗かせながら首だけ振り返り、 「てめえには関係無ぇ……」 それだけ吐き捨てると、すぐにまた前を向き直して歩を進めた。
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