其之十四 不器用

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「それがせめて、あいつらの親父への罪滅ぼしになるなら……」 「…………!」 最後に以狼がボソッと呟くと、ゆりなは無言で以狼の肩を叩く。 「本当に……馬鹿だ、あんた……」 「誰が馬鹿だ」 結局は最後まで二人の会話を聞いてしまった涼馬は、微かに微笑みながらその場を去り、すぐに六朗も続く。 一方で会場では、 「…………よって、この騒ぎの元凶は闇の天狼こと黒条以狼であり、たまたま近くにいた小娘を媒介にして呼び出されたビーストが……」 「もうよい。元凶がわかれば充分だ」 「……はっ」 以狼との約束通りに梟が、秀康の御前にて跪きながらそう偽りの事実を報告した。 そしてそれをきっかけに、以狼の首に懸けられた懸賞金が大幅に格上げされる。 「すぐに各地に伝令を送れ!!全国に手配せよ!!闇の天狼の首に懸ける懸賞額は、"一億"だ!!」 「……!!」 梟は、あまりにも桁外れな額に驚きを隠せず言葉を無くす。 「……本当に面倒な事になるぞ旦那ぁ……」
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