3.「俺の花嫁はお前だけだ」

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「す、すみません」 「倒れてから今までずっと寝ていたんだ。急に動くな」 衝撃的な情報に目を見開く。 あれから、ずっと? 「倒れたときのことは覚えているか?」 「は、い。あの、看病をしていただいて申し訳ございません」 「さっきも言ったが、謝るな」 「でも……」 居たたまれなさにうつむきかけた私の頬を、瑛さんが両手で包んで掬い上げる。 「俺の判断と意思だ……着替えもな」 「きっ……着替えって……」 再び熱を持ち始めた私の頬を、彼が楽しげに見つめる。 「布団を恐々めくる姿は可愛かったぞ?」 「み、見ていたんですか!?」 私の質問に目を細める。 「さすがに病人を抱く気はないから、安心しろ」 しれっと告げられ、即座に反応できず、唇を開け閉めする。 「お前の体調が回復したら、そうも言ってられないが」 「え?」 突如ガラリと変わった怪しい雰囲気に、思わず間抜けな声が漏れる。 妖艶な眼差しを向けられ、息を呑んだ。 頬から手を離した彼が、素早く私の腰を引き寄せる。 「遠慮なく、抱く」 形の良い唇を耳元に寄せ、宣告する。 耳に触れた熱い吐息に、背中に甘い痺れがはしった。 「今は、これで我慢しておく」 そう言って、瑛さんは長い指で私の顎を掬う。 艶やかな髪が額に触れたと思った瞬間、唇が重なった。
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