1.夢見る結婚式

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「開けるぞ」 「え?」 私の反応など構いもせず、彼がドアを勢いよく開けた。 中途半端なドレス姿の私に視線を向け、眉間に皺を寄せる。 鏡ごしに私の背中を見て、すべてを悟ったように大きな息を吐いた。 「なぜ、言わなかった?」 「あ、の……今晩はお疲れでしょうから、手を煩わせるわけには……」 消え入りそうな声で答えると、彼が鋭い眼差しを向ける。 「後ろを向け」 「え?」 「早く」 私の体を強引に反転させ、器用にホックを外していく。 締めつけが緩み、思わずほうっと息を吐く。 ドレスを胸元で押さえていると、背中に温かく柔らかなものが触れた。 驚いて振り返ろうとするも、がっしり腰を掴まれ動けない。 屈んだ彼が、背骨に沿うようにどんどんキスを落としていく。 「……ん……っ」 なんで、口づけるの? 尋ねたいのに、口からは意味をなさない声ばかりが漏れる。 「赤くなってるな……痛むか?」 「へ、平気です」 指先でなぞるように触れられ、鼓動がひとつ大きな音を立てた。 触れられた場所がじんわりと熱をもつ。
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