1.夢見る結婚式

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「彩萌」 背後から呼ばれ、反射的に振り返る。 濡れた長めの黒髪を後ろに流し、バスローブを羽織った彼の色気は凄まじく、思わず見惚れている間にあっさり距離を詰められる。 「……抱くぞ」 簡潔に告げられ、ふわりと足が浮く。 横抱きにされ、慌てて瑛さんの襟元を掴む。 「あ、歩けます」 「この期に及んで逃げそうだからな」 答えになっていない答えを返される。 足早に寝室に連れ込まれ、ゆっくりとシーツの上に寝かされた。 ドキドキと高鳴る鼓動がうるさい。 手の甲でゆっくりと頬に触れる、優しい仕草に胸が詰まる。 「……長い一日だったな」 耳を唇で弄びながら、私の体を自身の硬い体で囲い込む。 首筋を甘噛みされ、ビクンと肩が跳ねた。 「相変わらず敏感だな」 反応を楽しむかのように、ククッと声を漏らす。 目尻、頬、顎先に唇で触れ、最後に呼吸さえ奪うような激しい口づけをされる。 「……んっ……」 思わず漏れた声が長いキスに吞み込まれ、視界が滲む。 彼のキスは私の心や思考をいつも簡単に蕩けさせてしまう。
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