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はだけた胸元に長い指が触れる。
大きな手に包まれ、形を変える胸は自分のものではないみたいだ。
触れられた部分すべてが発熱しているかのように熱く、涙がとまらない。
絶え間なく首筋や胸元に落とされるキスに、熱い息が漏れる。
鎖骨を甘噛みされ、チリッとした軽い痛みとともに、赤い花が咲いていく。
「……あの、見える場所はっ……」
「結婚式まではキスマークをつけないように配慮しただろ?」
フッと口角を上げた、壮絶な色気に酔いしれそうになる。
まるで愛しい人に向けるような眼差しが切なくて、泣きたくなる。
なんでそんな目でみるの?
私は代理でしょう?
心の奥深くに閉じ込めたはずの恋心が、じわりと漏れ出す。
「熱いな……」
私の肌に唇を寄せる彼の声が遠くに聞こえる。
胸にこみ上げる、この想いをどこかに捨てられたらいいのに。
あふれ出す涙をこらえようと、きつく瞼を閉じた。
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