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追われる 和夫
30分ほどして結月は起き上がり 浴室へ
浴室から出て和夫とビールを飲み 話をしている時
ドアが・・・強く叩かれてきた・・・・
扉を強く叩くノックの音に、和夫が扉を開けると
咲良と麻美が顔色を変え 部屋へと駆け込んできて
飯田さん 部長がさっき 藍田商事の社長とお話をしていて・・・
顔色を変えてホテルへ電話していました
私それを聞いて 慌てて来たんです
直ぐにお部屋に案内しますから 来てください
和夫は服を纏い咲良に連れられ 7階のツインの部屋へと 案内され
麻美と咲良が話を始めて来た
部長が 騙されたあの野郎と 怒って
直ぐに スウィートへホテルの従業員が来ると思ったんで
この部屋を 取ったんです 出張の方とかをお泊めしたりするので
電話で直ぐ お部屋取れますから
麻美が飯田さん此れをと セーターと
長髪のウィッグを手渡され
和夫がセーターを 被ろうとした時
麻美が笑いながら 此れも付けてくださいと
深紅のブラジャーを渡された
「恵美のを 持って来たの」
和夫がブラジャーを付けると 咲良が浴室からタオルを持って来て
二つに切り畳んで ブラジャーの中に 押し込み
和夫はセーターと 麻美の差し出す Gパンを履き
薄いカーディガンを纏い ウイッグを付け
サングラスをかけ 鏡に映して見た
少し男っ気の有る 女性が鏡に映り 咲良が笑いながら
これで出ましょう 言うと 和夫の着て来た物を 大きな紙袋へ
靴と一緒に入れ 和夫に手渡して来た
上野に着く前に 一度降りて 多目的用のトイレで
こちらに着替えて お家に帰ってください
恐らく 防犯カメラで 此処を出た姿で 指名手配されると思うので・・
和夫は頷いて 麻美と咲良と一緒に
ホテルを出ようとした時 何人かの警察官が 扉を開け
入って来るのとすれ違った 警察官たちは
フロントで係と何か話し 屈強な警察官が 4人エレベーターに乗り込み
階段に 警察官が二人立っているのを見て
和夫たちは 駅へと向かった 駅の改札に 警察官が2人立ち
改札を通る人を眺め 無線で何か話すのが見え
和夫は上野までの切符を購入し 咲良と麻美に 見送られ
改札を潜り抜けていた 急行に乗り 椅子に座りほっと息を付き
走り抜ける窓の外を眺め 乗客たちが 和夫を見て
携帯を和夫に向けているのが見え 携帯を開くと
咲良と麻美とホテルを出る所が ニュースで流されていた
和夫は立ち上がり隣の車両に移動し 列車が駅に到着と
同時にドアから改札へと走り出し 多目的トイレを見つけ駆け込んだ
トイレの鍵を閉め 服を脱ぎ捨て着替えると
茶髪のウィッグを付け 革靴に履き替え ジャケットを羽織り
鏡を見ると 30代のチャラいサラリーマンがの姿が
トイレを出てホームへと向かい
次の急行に乗り 上野を目指した
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